第3話 スタッフインタビュー[ 助監督・柴山智隆 ]
キャラクターの一貫した存在感と地続きの世界観。
グリムガルでは分りやすく記号的な表現を避けて、全てを説明してしまわないようにしています。とても繊細なバランスで成立していて、作り手の難易度は格段に上がっています。沢山のスタッフと作業する中で、キャラクターに一貫した存在感を与え、地続きの世界観を持たせるのが、大きな役割だと思っています。
中村監督からは「リザルト演出をしないように」と言われました。「こう見えて欲しい」カットが有っても、キャラクターは「こう見えて欲しい」為の芝居をしていません。グリムガルの世界をただ全力で生きています。それをカット割りやカメラアングル等を工夫して切り取ることで、同様の効果を上げなければなりません。これは難易度が高く、大変な作業です。
グリムガルは視聴者に解釈を求める作品だと思います。観るのにエネルギーが必要ですし、引いたところで軽く観たいという方はストレスを感じるかもしれません。でも、グリムガルの世界でハルヒロたちと一緒にボロボロの宿舎で寝起きして、モグゾーの作ったご飯を食べ、日々を生きる為に狩りをし、人間関係に悩みながらも、一歩ずつでも前へ進む経験が出来たなら、観終わった後に、世界が少しシンプルに見えるのではないでしょうか。そんな作品になると良いな、と思っています。