2016.01.27
【投書】狩人の本領は弓にあり。

 皆さんは狩人と聞いて何を思い浮かべますでしょうか。当然、弓に矢をつがえ百発百中の一撃を放つ姿でしょう。義勇兵としての狩人は敵の攻撃の届かない遠距離から必殺の矢を放つことにこそ、その真価があります。もちろん狩人ギルドでは他に、獲物の位置を察知したり罠を仕掛けたりといった狩猟術、そして万が一に間合いを詰められた場合の剣鉈術なども習うことができますが、あくまでその本領は射撃にあると考えるべきです。もし、あなたが弓をニガテとするならば、悪いことは言いません。おとなしく暗黒騎士なり盗賊なりと言った、近接戦闘に向いた職を目指すべきです。

 なぜこんな当然のことを申し上げているかというと、近年、それすらわきまえない義勇兵見習いがいるからです。誰とは言いませんがお師匠様の新しい弟子になった若い女の子です。この子ときたら、弓が全くだめで、お師匠様もお手上げといった有様。なのになぜ、狩人を目指したのか、別の道を考えるべきでは? と先輩弟子として諭したところ、「でも狼犬が欲しいから、狩人がいい」とのこと。なるほど、確かに狩猟術の中には狼犬を育てて使役する術も含まれますが、それはそうとう高度なスキルです。弓のつかえない狩人が、それを学ぶまで生きていられるとは到底思えません。なのにお師匠様はどうしてあの子をあんなにかわいがっているのか。確かに愛嬌のある子ですけど……ですが……。

 いえ、脱線しました。とにかく義勇兵見習いの皆さんには自分にあった職を選んでほしいと思います。射撃の下手な狩人、病弱な戦士、呪文を暗記できない魔法使いなんて、仲間を危険にさらすだけです。

匿名希望(義勇兵・職業、狩人)
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