2016.02.08
【投書】盗賊は泥棒ではありません。
▲オルタナ盗賊ギルド所属の盗賊バルバラ 

 私は盗賊をしている義勇兵です。体力のない女なので戦士や聖騎士のような壁役は無理ですし、パーティには私より頭のいい子がたくさんいたので、神官や魔法使いはみんなに任せました。盗賊を選んだのは、そんな私でも少しでもみんなのためになりたいと思ってのことです。盗賊ギルドの先生は「あんたは目の付け所がいいよ。パーティに盗賊のいる価値は、長く義勇兵をやってればみな気づくさ」と褒めてくれましたし、実際その通りだと思います。

 迷宮に仕掛けられた鍵や罠の解除は私たち盗賊にしかできません。気配を消して偵察し、行く先に敵が何人いるのか、引くべきか進むべきかを判断するのも私たちの役目です。いわば、盗賊はパーティの目の役割を担う者です。

 戦闘だって、戦士や聖騎士のみんなに敵を引きつけてもらえれば、ちゃんと活躍できます。敵のこっそり背後に忍びよって無防備な背中を一刺する時なんて最高にゾクゾクします……脱線しましたスイマセン。

 けれども街で「盗賊をしている」と言うと、犯罪者を見るような、不審な目で見られることが少なくありません。確かに、盗賊ギルドはもともとアラバキア王国で盗み働いていた泥棒の集団だったそうです。でも、そんな泥棒の集団が、仲間たちへの恩赦と引き替えに、辺境軍に協力を申し出て設立されたのがオルタナの盗賊ギルドです。今の盗賊ギルドの構成員はすべて義勇兵の一員であり、泥棒で生活を立てているような悪い人はひとりもいません……いないはずです……きっと……。

 なので、盗賊ギルドという名前がいけないんだと思います。もっと実情に即した名前……たとえば密偵ギルドとか斥候ギルドなんて名前にすることはできないんでしょうか?

匿名希望(義勇兵・職業、盗賊)
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