2016.02.12
オルタナグルメガイド~その1・ソルゾ~

 食料の少なからぬ割合を本土からの移送に頼るという事情もあり、残念ながら本土並といかないのが辺境領オルタナのグルメ事情。しかし一方そうした制約のなかで育まれた独自の食文化もまたこの街には存在している。そんなオルタナならではの味を読者にお勧めしたい。

 最初に紹介するのはソルゾ。小麦粉を練った麺を、鶏とガナーロで出汁を取った、透き通った塩味のスープでいただく。シンプルだが飽きの来ない味で、なかには朝昼晩の三食をソルゾですます者もいるとか。職人街近くの屋台村には、この麺を出す店が数多く建ち並び、互いに味を競い合っているので、是非食べ歩いてほしい。

 一説には、とある義勇兵が、故郷の「らーめん」なる料理を再現しようとしたが、そのために必要な「ショーユ」という調味料を造り出すことができず、それならばと、新たな料理として発展させたのが、このソルゾだと言われている。なんでもその義勇兵は、今も「ショーユ」を求めて辺境を彷徨っているとか……。

本紙記者
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